未来の地域の担い手 こどもたちの育ちを地域で支える
“子育てを手助けしてほしい人”と“子育てを手助けしたい人”がそれぞれ会員となり、地域のなかで育児の相互援助活動を行う有償ボランティア組織「ファミリー・サポート・センター」。大分県内での運営は17市町村あります。(R7.4.1~)今回は大分市のセンターを訪ね、アドバイザーの方にお話を聞きました。
(今記事は、2回に分けてその模様をお伝えします)
誰かを頼る勇気を持とう 育児の援助をお願いできる依頼会員とは?
保育所や幼稚園、習いごとの送迎に困っている。下の子がまだ幼く、お兄ちゃんお姉ちゃんが通学する学校行事への参加が難しい。リフレッシュの時間が欲しい…
など、ママやパパだけでは育児の手が足りない!という壁にぶつかってしまったら、そろそろ通称「ファミサポ」への会員登録が必要な時期かもしれません。
センターには「依頼会員」「援助会員」「両方会員」の3種類の会員制度がありますが、この場合にあなたが検討するべきは“依頼会員”。
そして家庭に仕事に慌ただしい毎日を送るあなたに手を差し伸べてくれるのは、「何らかの形で社会参加したい」、「自らの子育ての経験を活かし、若い世代の力になりたい」と考える“援助会員”、もしくはそのどちらでもある“両方会員”と呼ばれる地域の人々です。
また、援助会員としての活動資格は、センターが用意した2日間に渡る講習を受けなければ得ることができません。こどもの発達や健康、救急法などについての知識を備えた会員ばかりなのでどうか安心してくださいね。
では依頼会員に登録するにはどうしたら?
利用を開始するためにはまず、事務局となる『大分市子育てファミリー・サポート・センター』を訪ねる必要があるため、センターに常駐するアドバイザーに電話で来所の予約をとりましょう。アドバイザーとは依頼会員と援助会員の引き合わせや調整などを行い、相互援助のお手伝いをする橋渡し役を担う職員さんのこと。
予約の電話対応から面談、仲介、活動終了まで双方の間に立ち、さまざまな角度からそれぞれの会員のフォローをしてくれます。
※対象となるお子さんの月齢は大分市では生後3カ月以上、小学生以下になります。
※各市町村で対象年齢は異なります。
主な依頼は送迎と預かり 働く保護者の多くが同じ悩みを抱える
予約が完了したら、お子さんと一緒にセンターへ。当日は希望する支援内容や細やかな要望に対するヒアリングはもちろん、実際に援助会員と依頼会員の仲介を担当するアドバイザーが、自らの目でお子さんの様子を少しだけ確認させてもらいます。とは言っても肩肘を張る必要はなく、お子さんは室内の一角にあるキッズスペースで伸び伸びと過ごすだけで大丈夫。より良い仲介、スムーズな援助を行うためにお子さんの性格や遊び方、普段の様子、アレルギー、心配事などについて教えてください。面談はおおよそ40〜50分程度とのことです。
主な依頼内容の例としては
① 保育施設の保育開始時刻まで、または保育終了後にこどもを預かること
② 児童育成クラブ終了後や、学校の放課後にこどもを預かること
③ 冠婚葬祭や学校行事、買い物、リフレッシュ等の外出時にこどもを預かること
④ 保育施設や習い事先への送迎
⑤ その他、会員の育児のために必要な援助
などの内容があり、事情はさまざまにありながらも預かり・送迎のニーズがほとんどであることがわかります。また、預かりは原則援助会員の自宅となるそうですが、市内のこどもルームなどでも対応ができるとのこと。ただし宿泊を伴う援助や家事支援、病児の援助活動は原則NGとなるので注意してくださいね。
急な依頼は難しい場合も 日程には余裕を持って申請しよう
「面談終了後にアドバイザーが援助会員を探すため、手配に2〜3週間ほどお時間をいただきます。さらにその後、依頼会員さん、援助会員さんの双方の都合を合わせて再びセンターで顔合わせの機会を用意するため、制度を利用するためには最低2回、会員となった保護者の方にはおこさんと一緒にセンターに足を運んでもらわなければいけません。もちろんアドバイザーもその場に立ち会います」。
利用までの道のりは少々長く感じられるかもしれませんが、想像してみてください。援助会員の方との初めての顔合わせが、お子さんの送迎または預かりを依頼した当日だとしたら…? センターを通じて事前にその方の情報は知り得たとしても、事前にしっかりと対面し、目と目を見て会話を交わした時間がある場合と、ない場合では安心感が違うと思います。そしてその気持ちは援助会員の方も同じ。
「顔合わせの際には、依頼会員と援助会員の間で電話番号かLINEを連絡先として交換していただきます。そして後日、支援が必要な日がわかったタイミングで依頼会員から援助会員へ、“この日にお願いできますか?”というふうに直接連絡する流れになります。顔合わせの日にすでに依頼したい日時があるという場合はその場で相談をしていただいても構いませんが、必ずしもお願いが成立するとは限りません」。
つまり、登録の最適なタイミング=依頼をしたい内容が発生した日…ではないということ。家族以外の誰かの助けが必要となる“いつか”に備えて早めに依頼会員となり、直接連絡を取り合える援助会員を事前に見つけてもらうことが大切です。ただし顔合わせを行うだけでは援助会員に報酬は発生しません。そのため、感謝の気持ちはお忘れなく。また、援助活動中に必要となるお子さんの食事やオムツ、着替えなどの持ち物は依頼会員が用意することになります。
(vol.2に続きます)
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