赤ちゃんが生後5~6か月頃になると、いよいよ離乳食のスタートです。

離乳食は月齢によって段階があり、食べられる形や量がすこしずつ変わっていきます。
「どんなものを作ればいい?」「どこまで進めていいの?」と不安に感じることもありますが、赤ちゃんの成長に合わせてゆっくり進めていけば大丈夫です。

離乳食初期から完了期まで、月齢ごとの特徴とおすすめの簡単レシピの例をそれぞれ紹介します。赤ちゃんが食べる楽しさを感じられるよう、そしてパパやママも無理なく続けられるよう、日々の食事づくりのヒントにしてください。

離乳食のだし汁

まずは、離乳食作りに欠かせない“だし汁”は、料理の基本です。
日本のだしは昆布やかつお節などから取る“うま味”がベースで、香りが穏やかでやさしい味わいが特長。素材の味をやさしく引き立て、塩を使わなくてもおいしく仕上がるので赤ちゃんのからだにもよく、味つけの幅を広げてくれる心強い存在です。

だし汁

野菜やおかゆに加えるだけで風味が増し、薄味でも食べやすく仕上がるだし汁。
まとめて作って冷凍しておくと便利です。

材料(1リットル分)

  • 昆布 10g
  • かつお節 20g
  • 水 1.1リットル

 

作り方

  1.  切り込みを入れた昆布を水と一緒に鍋に入れて、中火にかける。
  2.  沸騰直前に昆布を取り出す。
  3.  2. を沸騰させ、かつお節を加え、弱火で1~2分煮る。
  4.  火を止めてかつお節が沈んだら、ザルにペーパータオルを敷いてこす。網じゃくしですくい取っても可。

 


 

離乳食初期(生後5~6か月)

なめらかにすりつぶした食べものを、口を閉じて飲み込む時期です。
様子を見ながら少しずつ水分量を減らしていきましょう。

野菜ペースト(ほうれん草)

ペーストは多めに作って、フリージング(冷凍)しておくと便利です。
1週間以内に使いきる、製氷皿や小さい容器に小分けにする、解凍はレンジを使って中心まで加熱する、という3点に注意してください。

ほうれん草のペースト画像

材料(5食分)

  • ほうれん草(葉先) 75g
  • だし汁 50ml

 

作り方

  1. 鍋でやわらかくなるまで茹でて水気をしぼる。
  2. 軸を除き、葉を広げ軽く刻み、すり鉢ですりつぶす。
  3. だし汁を加えペーストにする。
  4. あら熱がとれたら5等すれば1食分となる。残りの4食分はフリージングする。

 

    

野菜ペースト入りパン粥

野菜ペーストを使ったパン粥を作ってみましょう。ほうれん草で作ったペーストでなくとも、野菜そのものは別の野菜でも構いません。
なお、だし汁は同量の乳児用ミルクでも代用できます。

 

野菜ペースト入りパン粥の画像

材料(1食分)

  • 野菜ペースト(ほうれん草) 10~20g
  • 食パン(6枚切り) 1/8枚から1/4枚
  • だし汁 60ml

作り方

  1. 食パンのみみを切り落とし、適当な大きさにちぎる。
  2. 耐熱容器に1. とだし汁を入れ、レンジで加熱する(500ワットで約30秒)。
  3. 2. をなめらかになるまですりつぶし、上に野菜ペーストをのせる。

離乳食中期(生後7~8か月)

やわらかく小さく刻んだものを、舌で押しつぶして食べる時期です。食べる量や使える食材も増えてきます。
いろいろな味を体験させてあげましょう。

ブロッコリーとトマトのパスタ

【所要時間15分】

量を追加すれば、大人用も一緒に作れるレシピです。
出来上がったらお子さんと一緒に料理を楽しみましょう。

ブロッコリーとトマトのパスタの画像

材料(大人2人+こども1人分)

  • スパゲティ 200g
  • ブロッコリー 100g
  • トマト 200g
  • だし汁 100ml


※大人用に追加…

  • にんにく 1片
  • オリーブ油 大さじ1
  • コンソメ 小さじ1
  • 塩こしょう 適量

 

作り方

  1. スパゲティは袋の時間通り茹でる。
  2. ブロッコリーは小房に分け、茹でて水気を切る。トマトは皮を湯むきし、種を取り除き刻む。
  3. 茹でたスパゲティ30g(刻む)、ブロッコリー20g(刻む)、トマト20gとだし汁を小鍋に入れ、やわらかくなるまで煮る。

※大人用はフライパンに油とスライスしたニンニクを熱し、香りが立ったら、ブロッコリー、トマト、茹でたスパゲティ、コンソメを加え炒め、最後に塩コショウで味を調える。

離乳食後期(生後9~11か月)

歯ぐきでつぶせる固さのものを練習する時期です。唇を閉じて噛むという動作を覚えていきます。
食事の量や回数が増えたら、食事のバランスも意識してみましょう。

オープンオムレツ

【所要時間15分】

同じく大人用も一緒に作ることが可能な料理で、野菜も入っています。
ピーマンが苦手そうな場合、下ゆでをすると苦味が抑えられます。

オープンオムレツの画像

材料(大人2人+こども1人分)

  • トマト 1/2個
  • ピーマン 1/2個
  • チーズ(ピザ用) 20g
  • 卵 2個
  • サラダ油 少々

 

作り方

  1. トマトは湯むきし、粗くみじん切りにする。ピーマンは細かく刻む。
  2. 溶き卵に1. とチーズを混ぜ合わせる。
  3. フライパンに油を熱し、2. を流し入れる。焼き目がついたら裏返す。
  4. 8等分に切り、こども用に2切れをひと口大に切り分ける。大人用はお好みでケチャップを添える。

離乳食完了期(生後12~18か月)

やわらかく煮たものを、前歯でかみとれる大きさにして食べさせる時期です。
手づかみ食べも積極的にさせてあげましょう。

野菜入りナゲット

【所要時間15分】

手づかみ食べができるレシピです。
 

野菜入りナゲットの画像

●材料(作りやすい分量)

  • 鶏ひき肉 100g
  • 玉ねぎ 50g
  • 人参 50g
  • パン粉 20g
  • 片栗粉 15g
  • 塩 少々
  • サラダ油 適量

※お好みでケチャップ

 

作り方

  1. 玉ねぎと人参をすりおろしてポリ袋に入れる。
  2. 鶏ひき肉とパン粉、片栗粉、塩を加え、袋をもんでよく混ぜ、8等分して小判型に丸める。
  3. フライパンに高さ1cm程度の油を入れ、170℃(箸を入れて泡が出るくらい)になったら1. を入れる。
  4. 裏返しながらきつね色になるまで揚げて、出来上がり。お好みでケチャップを添える。
     

この記事を書いた人

管理栄養士 五十川 裕さんの画像

大分県栄養士会
管理栄養士 五十川 裕
1児のパパとしてごはんを作っています