こどもと過ごす毎日は、喜びの連続です。

しかし初めての子育てとなると、こどもとの接し方や叱り方に戸惑い、悩むことも多いことでしょう。きょうだいができると、どう関わっていくかの難しさを感じることも多々あります。

大切なことは、こどもの基本的な特性を理解し、その子らしさに目を向け、親子で少しずつ関係を育てていくことです。

 

いかにしてこどもの個性を発揮させるか

父親と赤ちゃんが布団で一緒に寝ているイラスト

きょうだいであっても、こどもはそれぞれ異なる個性を持っています。
しかし、「個性とは何か」とあらためて聞かれると、明確に答えられる人はそう多くいません。大切なことは、それぞれのこどもが持っている「ペース」や「感じ方」を理解することから始めることです。

こどもが個性を発揮するためには、「共感されること」「安心できる人がいること」「愛情を感じること」が必要となります。

たとえば人見知りが強い子の場合、無理に集団に入れるよりも、「緊張するよね」「そばにいるからね」と共感することで、こどもは安心することができます。

少しずつ自信をつけることで、こどもは自然に自分の力で歩み始め、個性を発揮するようになるのです。

こどもの叱り方で心がけておくこと

赤ちゃんを抱っこする母親の前で癇癪をおこす上の子のイラスト

こどもが困った行動をとったとき、つい感情的になって叱ってしまうことがあります。
このような時は、2つのポイントを意識してみましょう。

まず、「こどもの発達に合っているか」を考えることです。たとえば、おもらしをしてしまった時、年齢によっては筋肉や脳への伝達信号が発達しておらず、いざ伝えようと思った時には既におもらしをしてしまっているのです。
もちろんこれは保護者を困らせるために起こした行動ではありません。この場合は叱るよりも優しく声をかけ、安心させることが重要です。

2つめは、こどもに「共感」し、保護者の思いや正しい行動を「伝える」ことです。
こどもは様々な経験を通してルールを覚え、原因と結果を結びつけるようになってきます。
おもちゃの取り合いをして相手を叩いてしまった時は、「おもちゃがほしかったんだね」と気持ちを代弁し、「叩くのはいけなかったね」「貸してって言おうね」と伝えるようにします。
このやり取りを重ねながら相手の気持ちを理解し、他のこどもとの関係を身につけていきます。

大人にとって困った行動は、こどもが成長する機会であり、正しい行動を身につける機会とも言えます。時間はかかりますが、こどもの視点で考えてみてください。

きょうだい子育てと向き合うには

こどもにそっぽを向かれるパパのイラスト

きょうだいがいる家庭では下の子ばかりに手がかかり、上の子は「自分ばかり我慢している」と思うあまり、すねたり、怒ったりすることがあります。
これらの行動は、保護者との愛着関係を確かめたいという気持ちの表れです。

上の子の願いをすべて叶えることはできませんが、「お母さんと一緒にお風呂に入る」「お父さんと一緒に寝る」など、保護者を独占できる時間を少しでも作るように工夫すると安心します。

また、下の子の世話に手が取られている時は、そのすぐ後に上の子をギュッと抱きしめてあげれば、寂しかった思いを汲み取り、自己肯定感を高めてあげられます。

無理をせず、親もこどもも一緒に育っていきましょう

赤ちゃんをこしょこしょして笑わせているママのイラスト

こどもが尊い存在であるように、子育てをしている親も尊い存在です。

思い通りにいかない日もあるかも知れませんが、深刻に考えすぎず、「そんな日もあるよね」と自分を許し、こどもと一緒に成長していく気持ちを持つようにしましょう。

子育てには家族や社会の協力が必要です。
お住まいの地域でも子育て支援事業が行われていると思いますので、まずは市報・町報やホームページなどを調べて活用していきましょう。

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別府大学短期大学部 初等教育科
准教授 松﨑 優