パパが育児に参加しやすい環境づくりが進んでいます。
厚生労働省が2002年に発表した『少子化対策プラスワン』では、子育て中の残業を減らすことや、父親の産後休暇・育児休業の取得を促す取り組みを始めました。
2025年には新たに「共育(トモイク)プロジェクト」がスタートし、誰もが希望に応じて仕事と家事・育児を両立できる社会を実現するため、パパや企業等への働きかけを進めています。
家族ぐるみで子育てを支えましょう
パパがこどもと関わる時間が多いと、乳幼児の心や体の成長を後押しするという研究結果が出ています。
さらにパパが育児に参加するとママの育児ストレスが軽くなるという報告もあり、パパの存在がこどもの成長にとっても、家族の毎日にとっても、大きな支えになるのです。
幼稚園教育要領では、「遊び」が心や体の健康に関わる大切な項目とされています。こどもが自分の体をのびのびと動かす楽しい遊びが、成長につながるのです。
3歳と1歳のこどものパパでもある私が実践している、年齢別の「こどもとパパの遊び方」をご紹介します。
0歳~1歳のこどもとの遊び方
1. パパの顔や声で楽しませる遊び
こどもから見ると、パパの顔はママとはまた違う「新鮮な存在」です。ヒゲや眼鏡、少し低めの声などパパならではの特徴は、こどもの視覚や聴覚の刺激に効果的です。顔のバリエーションを多くした「いない、いないばあっ!」は、大喜びする遊びのひとつです。
「絵本の読み聞かせ」もおすすめです。リズムのある歌の絵本や、繰り返しのフレーズがある絵本を使用すると、自然と体が動いて声を出すなど、遊びの幅が広がります。
2.ほどよい高さの「たかい、たかい」
パパの力を活かした「たかい、たかい」は、こどもの体幹や空間認識を育てます。最初は低めの高さから始めて、慣れてくるともっと高さを求められますが、無理のない範囲で少しずつ高さを調整していきましょう。室内では天井の高さに十分注意してください。
2歳〜3歳のこどもとの遊び方
1.パパを「山」に見立てて楽しむ「パパ山のぼり」
パパの大きな体は、こどもにとって「山」そのもの。立った姿勢でも、座ったままでも構いません。全身を使ってパパの体をよじ登り、「頂上」を目指すことでバランス感覚も育ちます。夢中になりすぎて落ちてしまわないよう、しっかりと見守りましょう。
2.足の上で楽しむ「飛行機ブンブンブーン」
パパが寝ころんだ状態で足を伸ばし、その上にこどもを乗せて飛行機に見立てる遊びです。最初はスネのあたりに、慣れてきたら足裏に乗せて高さを出すと、こどもの表情が豊かになってきます。バランスを崩して落ちないよう、しっかり支えてあげましょう。
屋外でのこどもとの遊び方
屋外での遊びは運動能力だけでなく、安心感・自己肯定感・挑戦心など「心の土台」を育てます。
一緒に体を動かし、笑い合いながら過ごすことが、こどもの成長につながります。
1.パパとおいかけっこ
広い場所で自由に走り回りましょう。走る・止まる・曲がるといった動きを加えることで、基本的な運動能力を身につけることができます。
2.パパバス乗車
パパがバスになってこどもを背中に乗せたり、抱っこしたりして歩く遊びです。見える景色が変わることで感覚が刺激され、安心感にもつながります。
3.ボール遊び
転がす、投げる、受け取るなど、年齢に合わせていろいろな遊び方ができます。手先の動きや全身のバランス感覚を育てるのにも効果的です。
この記事を書いた人
別府大学短期大学部 初等教育科
助教 阿部 剣征
3歳と1歳のこどものパパ