わずか2週間の育休が、家族との絆を育む

家族4人の写真

二人目の出産をサポートするために

 現在7歳・4歳の2人の男の子のパパである片桐瑛さん。高校進学を機に母親の故郷であるアメリカ・テキサスへ渡り、大学、就職と約17年間を現地で過ごしました。

 学生時代に参加していた国際交流の活動で日田市にホームステイした経験があり、その縁もあって「いつかは日本で暮らしたい」と思い描いていたそうです。
 結果的に「子育てをするなら日本がいい」と考え、長男の小学校入学のタイミングで、家族で日田市へ移住しました。

 片桐さんが育児休暇を取得したのは、アメリカで奥さまが次男を出産したとき。ただし正式な制度があったわけではなく、自身の有給休暇を活用して2週間の休暇を確保しました。

「アメリカは州によって制度が異なり、当時は日本ほど育休が整っていなかったように思います。私は自主的に2週間の有給を使って、出産の立ち合いから育休を取りました。仕事の段取りも事前に準備ができていたので、スムーズに休みを取ることができました」

 勤務先にも同じように育休を取って出産に立ち会った先輩パパがいたそうで、育休に理解のある職場環境にも助けられました。ただし出産が帝王切開だったため普通分娩よりも療養期間が長かったこともあり、「もう少し柔軟に動けるように、長く休めたらよかった」とも話されていました。

妻だけでなく長男の心の拠り所に

片桐 瑛さんの写真

 2週間の育休期間中は、どのような時間を過ごしたのでしょうか。

「妻は生まれたばかりの次男の世話で手いっぱいだったので、私は長男と一緒に過ごす時間を大切にしました。赤ちゃんが生まれると、母親はどうしても下の子が中心になります。だからこそ、父親が上の子の心の拠り所になるべきだと思います」

 このように、きょうだいのサポートの重要性を語る片桐さん。1人目の出産と、2人目の出産の大変さは、それぞれ違った面で表れていたようです。

「出産後は体の回復だけではなく、心のケアも大切だとも感じました。そばにいながら気づいてあげられなかったこともあったでしょうし、もっと意識してコミュニケーションを取り、寄り添えたらよかったなと、今になって思います」

濃密な2週間であらためて感じた「家族との絆」

片桐さんと息子さんが工作を楽しんでいる写真

 2週間の育休はあっという間に過ぎました。しかし復帰後の片桐さんは、夜間の授乳サポートや長男のお世話など家庭での役割を積極的に続けました。

「男性の育休にはまだまだ抵抗がある方が多いかもしれません。仕事の引き継ぎや、今後のキャリアなど、不安なこともあるでしょう。でも、私にとってこの2週間は人生の中で本当に貴重な時間でした」

 出産や子育ては女性だけの役目ではなく、夫婦や家族みんなで支え合うものだと確信したようです。

「新しい命を迎えることで、家族のつながりは確実に深まります。育休を取ると職場に申し訳ないと感じてしまう方は多いでしょうが、出産や育児に向き合うことは人生の中で貴重な時間であると思いました。たとえ短期間であっても、妻やこどもたちのことを最優先に考え、しっかりと向き合っていくことが、家族の絆を深めることに繋がっていきます」

 育児休暇で過ごした日々は、片桐さんにとってかけがえのない宝物になっているようです。

※片桐さんはぼんちパパ倶楽部に所属されています。