育休はプラスしかない。人生観が変わるチャンス

池田英樹さんの写真

先輩パパの体験談に背中を押されて

 池田英樹さん(宇佐市出身)は、10歳、7歳、3歳の3人のこどものパパ。第1子と第3子の誕生時に、合わせて約2年の育児休暇を取得しました。

 池田さんは中学校教諭、妻は小学校教諭として共働きの日々。「こどもと過ごす時間をもっと持ちたい」と、以前から育休に関心を持っていたそうです。

「取得するかどうか悩んでいたところ、育休を経験した知り合いの先生たちが『絶対取得した方がいいよ!』と勧めてくれ、それが決め手になりました」。

 教職員は年度始まりからの取得であれば臨時職員が配置されるため、職場にも負担をかけずに取得できたといいます。家事好きで料理が得意な池田さんらしく、「家族の健康は食卓から」と、育休中は料理を中心に家庭を支える決意でスタートしました。

大変さよりも、楽しさが勝る毎日

池田さんとこども達が料理をしている写真

 初めての育休は、仕事を完全に離れ、こどもと過ごす時間を心から楽しめたようです。

「本当に幸せな時間でした。こどもと散歩をしたり、子育て支援拠点に通って顔なじみができたり。子育てについて話せる人がいて、地域の方々と関わることで安心感がありました」

 一方、2度目の育休は第3子が2歳の時に取得。最初の育休と違い、上の2人が小学校と子ども園に通うようになっていました。

「朝の支度から夕方まで、予想以上に慌ただしくて、最初は目が回るようでした(笑)」
 それでも生活のリズムが整ってくると、日中は自分の時間も取れるようになり、趣味のギターを弾いたり、時短レシピを試したりと充実した毎日に。「大好物のチャーハンを極めようと研究もしましたね」と笑いながら振り返ります。

 何よりも印象に残っているのが、家族旅行です。
「せっかくだから今しかできないことをやろうと、年末に家族3人でのオーストラリア旅行が実現できました。育休を取って本当によかったです」

 池田さんにとって、家族と長く過ごせたことが、何よりもの財産になったのです。

“親目線”でこどもに寄り添えるようになった

こどもが料理の様子をのぞき込んでいる写真

 池田さんは育休を経験して、教師として学校でのこどもたちへの向き合い方にも変化があったといいます。

「3人の子育てを通して、教え子たちにも”親の眼差し”になりながら自然と接するようになりました。こどもたちは家庭で愛されて育っているでしょうから、学校で一番身近な大人である教師も優しく、笑顔で接するほうがいろんなことがうまくいく。仏頂面でいるより、ニコニコしていたほうが絶対にいいと思うようになりました」

これから育休を考えるパパさんたちへ

「育休は、人生観が変わる時間です。心に余裕ができ、働くことへの考え方も前向きになります。自分のタイミングでしかできないことなので、思い切って休む勇気を持ってほしいです」

 池田さんは、育休を取ることに引け目は一切なかったと話します。

「働く環境は人それぞれ違うと思いますが、パパの育休への理解や関心は少しずつ広がってきています。職場との信頼関係を日ごろから築けていれば、休むことへの不安も軽くなると思いますし、育休を長く取ることができれば、その中で自分自身が成長できることも多いと個人的には感じています。ぜひ多くのパパに、育休を前向きな選択肢として考えてもらえたらうれしいです」

 第3子の育休を経験し、新たな学びも多かった池田さん。家族にとっても、自分にとっても、貴重な経験になったようです。

※池田さんはUSAパパくらぶに所属されています。