赤ちゃんとの生活が始まると、毎日の家事や育児の動き方が大きく変わります。

安心して過ごせる部屋づくりは、赤ちゃんの安全のためだけでなく、ママやパパが余裕をもって子育てするためにも欠かせません。ちょっとした片付けや配置の見直しでも、転倒や事故を防ぎやすくなり、家事・育児の負担もぐっと軽くなります。

赤ちゃんが生まれる前から少しずつ整えておきたい部屋づくりのポイントをまとめました。床に物を置かない工夫や赤ちゃん専用のスペースづくり、家事動線や収納の見直しなど、すぐに取り入れられるヒントばかりです。ママの体調と相談しながら、無理のないペースで準備を進めていきましょう。

STEP 1.まずは床にモノを置かない

リビングの画像

妊娠中のママはお腹が大きくなるにつれ足元が見えにくくなり、立ったり座ったりする動作も負担が大きくなります。もし転んでしまうと、ママだけでなくお腹の赤ちゃんにも危険がおよぶことがあります。

転倒を防ぐためにも、床に置きっぱなしになりがちなバッグや衣類、段ボール、コード類などは、できるだけ片づけておきましょう。

床がすっきりしていると掃除がしやすくなり、赤ちゃんが動きはじめたときの安心にもつながります。

STEP 2.赤ちゃんのスペースをつくろう

ベビーベッドと赤ちゃん用の荷物をまとめて、すっきりとした和室の画像

授乳やおむつ替え、着替えなどをスムーズに行えるよう、日々のお世話の動きをイメージして赤ちゃんのスペースを確保しましょう。

ママが日中よく過ごす場所の近くに、ベビーベッドや育児用品をまとめて配置すると便利です。とくにおむつ替えグッズなどは、すぐ手に取れるよう一か所にまとめておくと、慌てずに対応できます。

赤ちゃんと過ごすための落ち着いたスペースがあることで、産後のママの負担が軽くなり、体力回復にもつながります。

STEP 3.危険なモノは手の届かない場所へ

コンセントカバーの画像
手が届くところにあるコンセント差込口にはカバーを取りつけ、感電防止対策を

赤ちゃんは成長とともに行動範囲が広がり、身近な物を手に取ったり口に入れたりしようとします。

ボタン型電池や薬、マグネットのような小さなもの、タバコ、洗剤、除光液など誤飲の危険があるものは、必ず手の届かない場所にしまっておきましょう。

コンセントカバーや引き出しロックなどの安全グッズも、早めに準備しておくと安心です。
階段やキッチンにはベビーゲートを設置できるよう、事前に取りつける場所の確認をしておくと、赤ちゃんが動き始めたときに慌てず対応できます。

冷蔵庫の引き出しロックの画像
冷蔵庫や棚を開ける際に手を挟む危険があるため、引き出しロックを
ベビーゲートの画像
台所や玄関など、赤ちゃんが移動して危険な場所にはベビーゲートを設置

STEP 4.家事の動線はなるべく短く

上に洗濯もの干し、下に収納ボックスの画像

洗濯にスポットをあてて、家事の動線を考えてみましょう。

赤ちゃんがいる家庭では洗濯の回数が増えるため、「洗う → 干す → しまう」の一連の動作を、なるべく近い場所でまとめて行えるようにしておくと、グッと楽になります。

また、産後はママの体を休める時間を優先することが大切です。どこに何をしまったか一目でわかるよう、収納ボックスにラベルをつけておくと、パパも家事に取り組みやすくなります。

このように炊事やお掃除なども家事の動線を見つめなおせば、ずいぶんラクになります。家族みんなが使いやすい仕組みを作ることで、無理なく快適な環境を保つことができるでしょう。

STEP 5.収納用品は軽くてやわらかいものだと安心

赤ちゃんのそばで使う収納グッズは、角が尖っているものや重いものは避けたほうが安心です。布製やプラスチック製など、軽くてやわらかい素材の収納用品なら、赤ちゃんがもし触れたりぶつかったりしてもケガの心配が少なく、安全に使えます。

また、赤ちゃん用品は汚れやすいため、水洗いできたり、さっと拭き取れたりする素材だと衛生面でも安心です。おむつ替えグッズや着替えセット、お出かけセットなど、用途ごとにまとめておくと必要なときにすぐ取り出せ、家事や育児がスムーズになります。

おむつ入れの画像
角が丸く、やわらかい素材を選ぶ
お世話グッズの画像
お世話グッズをまとめておくと便利

STEP 6.増えるモノに備えてスペースを確保しよう

赤ちゃんが生まれると服やおもちゃ、お世話グッズなど、家の中のモノが一気に増えます。お祝いでいただくことも多く、「便利そう」「使うかも」と買い足しているうちに、すぐに収納があふれてしまいがちです。購入前に本当に必要か、しまっておく場所があるかを考えておくことが大切です。

2人目・3人目を考えているご家庭では、使い終わったベビー用品を次の子のために保管するスペースも必要になってきます。こどもの成長とともに増えていくモノに備えて、あらかじめ余裕のある収納スペースを確保しておきましょう。

必要な時期に必要な期間だけ利用できるベビー用品のレンタルサービスを活用するなど、モノの持ち方を工夫することも考えられます。

STEP 7.ママの体調と相談しながら少しずつ

赤ちゃんを迎える部屋づくりは、安定期以降やママの体調が落ち着いている時期に、無理のないペースで進めるのが理想です。臨月に入ると体を動かすのが難しくなるため、事前に家具の配置や収納場所について家族で話し合っておくと安心です。

また、力仕事や高い場所の片づけなどは、パパが率先して引き受けることが大切です。家族みんなで協力しながら、赤ちゃんのための環境を整えていきましょう。

赤ちゃんお迎えプロジェクト始動!

どんな暮らしをしたいか、どんな時間を家族で過ごしたいか、赤ちゃんを迎えるにあたり、夫婦で取り組む共同プロジェクトとして考えれば、お互いの理解や絆も深まります。

7つのSTEPを一気に始めることが無理でも、たとえば「床にモノを置かない」「危険なモノは手の届かない場所へ」「家事の動線を短くする」といった3つに絞って意識するだけでも、赤ちゃんもママも安心して快適に過ごせるようになります。

お部屋を整えることは、家族の新しい生活をスタートさせるための大切な一歩。今日できることから、さっそく始めてみてください。

この記事を書いた人

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(一社)日本ライフオーガナイザー協会
(一社)日本片づけ整理収納協議会
ライフオーガナイザー
三浦 峰子